オゾン層破壊
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  オゾン層の誕生


  @ オゾン層

@ 地上20〜30km・薄いカ−テンのようなもの            
A 正味3ミリ(1気圧)の厚さ                     
B 日光に含まれる紫外線から陸上の生き物全てを守ってきた。       

  A オゾン層の誕生
   @ 46憶年前 → 地球の誕生

原始の大気…98%ガ炭酸ガス(二酸化炭素)     

   A 10憶年後 → 海ができた
             単細胞生物の誕生(海の中)

「炭酸ガス→酸素」に変える仕事(光合成)をくり返す。

   B 42億年後 → 緑の生命(シダ類,植物)の上陸

・地球上は十分な酸素で満たされる。         
・オゾン層の誕生=有害な紫外線をカット       

   C その後   → 両生類の上陸,ハ虫類・恐竜・哺乳類へと進化
   D 300万年前→ 人類の誕生


  オゾン層が減少するとどのようなことが起きるか


  @ 有害な「紫外線B」がDNAを破壊する。
    直射日光を繰り返し浴びることで,DNAが傷つけられる。

@ 皮膚ガン                              
A 白内障や失明                            
B 身体全体の免疫低下                         
C エイズなどウィルス性の病気にかかりやすくなる。           

  《具体的なデ−タ》
   @ オ−ストラリアの保健研究所「過去7年間で『皮膚ガンの発生』が2倍に」
   A もっとも悪性の皮膚ガン(黒色腫)が目立って増加
   B 子どもたち−日焼け効果がある新型の水着の着用
           日焼け止めのクリ−ムを塗る。
   C 小学校−夏服を光線を通しにくい濃緑色の七部袖に
   D ブリスベ−ン市長=公約の実行

 市内の公園全てに,太陽光線を90%シャットアウトする布製の屋根を取り
つけ,子どもたちを直射日光から守る。                 

   E UNEP(国連環境計画)の報告書

 10%のオゾンの減少→ @ 26%の皮膚ガンの増加         
             A 白内障による失明            
               毎年世界で160万から175万人の増加 

   F チリのプンタアレナス

● 多くの人が目の炎症やアレルギ−の異常               
● 外出時,必ず「帽子」「サングラス」「長袖」の着用         
                                   

   G 日本のオゾン量の減少(気象庁,1993年)

 札幌   → 13.2%                      
 沖縄   → 8.3%                       
 日本の平均→ 10%前後                      

     過去15年の皮膚ガンの増加率 → 約2倍
   H 動物への影響
    ● 木に激突するカンガル−の増加(オ−ストラリア)
    ● 目の見えない牛の増加(チリ)
    ● 目の見えない羊の増加(ニュ−ジ−ランド)
    ● 湖に住むカエルの激変(数年で半分に)
      紫外線Bをカットしない場合=半分以上の卵がふ化しなかった。
      現状の紫外線でもカエルの卵の半分以上を殺せる強度がある。

   I 南極大陸の「オゾンホ−ル」
     1985年=日本とほぼ同じ面積
     1995年=南極大陸の1.5倍


  オゾン層を破壊する「フロン」


  @ 「フロン」の誕生
   @ 1928年に初めて作られた化学物質(もともと自然界には存在しなかった)
     「安全」「安価」「不燃焼」=「奇跡の化学物質」
   A 1960年代から大量生産
  A 「フロン」の用途
   @ 冷却用
    ● 冷蔵庫,エアコン,自動販売機などの「冷媒」として
     * 冷蔵庫=冷媒用200g,断熱用800g
     * ヨ−ロッパではジュ−スやビ−ルなどの自動販売機は法律で禁止
     * フロン使用の冷蔵庫を捨てると罰金
       ドイツ(350万円) アメリカ(250万円) イギリス(400万円
)   A 洗浄用
    ● 油の汚れ落とし,ごみをきれいに洗い流す
    ● クリ−ニング
    ● 精密機器,コンピュ−タの半導体などの洗浄
   B 発砲用
    ● 保温材,断熱材,梱包材の発砲ウレタン(泡の中にフロンが入っている)
      冷蔵庫の断熱材やアイスボックス・電気製品の梱包材
   C エアゾ−ル
    ● ヘアスプレ−,ペンキ,工業用スプレ−
    * 最近のスプレ−はLPG(液化プロパンガス)を使用
  B フロンが危険であると認知されるまで
   @ 1972年,ロ−ランド博士とモリ−ナ博士(アメリカ)の警告

● 10年後,オゾン層に穴があく。(1982年)           
● 20年後,人体に影響が現れる。(1992年)           
● 30年後,取り返しがつかない事態になる。(2002年)      

     業界,科学者たち=重要視せず
   A 1985年,南極の「オゾンホ−ル」の発見
   B 1985年,ウィ−ンで最初の「フロン規制」

 2000年までに,特定フロン4種類の50%削減           
  危険性の高いフロン,CFC11,12               

   C 1989年,モントリオ−ル議定書

 2000年までに特定フロン10種類の全廃              

   D 1992年,コペンハ−ゲン会議

 1995年までに指定フロン(HCFC全て)も廃止          

     それ以外のフロン(HFCなど)についての規制の取り決めはなし


  オゾン層破壊のメカニズム


  @ 南極のオゾンホ−ルは毎年大きくなっている。
     1995年,日本の面積の60倍
    地球全体のオゾン層も薄くなり続けている。
  A フロンのオゾン層破壊のメカニズム

@ 触媒作用で,約10万倍のオゾンを破壊する。             
A オゾン層に到達するのに15年以上かかる。              
  ・ 空気より重く安定している。                   
  ・ だんだん薄められ,暖められていく。               
  ・ 偏西風に乗ってゆっくり上昇していく。              
  現在オゾン層を破壊しているフロンは,15年前のもの         
C・オゾンを破壊したフロンは,今まで放出したうちの10%程度      
 ・80%は,オゾン層にまだ到達してない。               
 ・10%は,身の回りの製品に残されている。              

  B オゾン層がなくなれば,陸上で動物も植物も生存できない。
  C オゾンの減少は,北半球の方が深刻
   @ 北極…グリ−ランド大のオゾンホ−ル
   A オゾン濃度は15年前と比べ,最大40%も減少(米海洋大気局の観測)
   B 中緯度〜高緯度地方…10〜20%の減少
     北極周辺からシベリア地方…35〜40%
     欧米のほとんど…10%以上


  「ストップ・フロン」のネットワ−ク


  @ 日本の現状
   @ フロン放出に対する罰金なし
   A フロン回収なし
   B 紫外線Bに対する注意の呼びかけなり
  A 自治体の取り組み
   @ 一部の自治体が自主的にフロン回収を開始(200自治体)
     回収率わずか(徹底した広報がされない,義務づけや罰金がないため)
   A 兵庫県の環境条例(1995年)

《環境の保全と創造に関する条例案》                  
 ● エンジンをかけたまま車を離れた運転手や,オゾン層を破壊するフロン
  ガスを排出した業者らに罰金を科す。                

     同様の規制
      スウェ−デンやノルウェ−など欧州7ヵ国
      米国のニュ−ヨ−ク州
     この陰には,民間のボランティア団体「ストップ・フロン」の活動がある。
     オゾン層を保護する活動・運動(科学者,企業人,学生.主婦など)